絵本の読み聞かせをしたいけれど、絵本が多くありすぎて何を選んだらいいかわからない!という方に、わが家で2週間ごとに図書館で借りてくる絵本の中から、子どもの興味を持ってもらいやすい、親子でお話を発展させやすい絵本を紹介していきます。
今回ご紹介する絵本は、
・おばけびょうきになる ・いたずらハーブ えほんのなかにおっこちる
何が起きるかまるで想像できない展開が待っている、独特な世界観が魅力の絵本です。
でも風刺がきいていて小気味よくて、子どもにとってもテンポがよく、突拍子のない構成が面白いと感じるようです。
アーティスティックな絵柄で構図やデザインの発想も興味深い、絵本2冊をご紹介します。
おばけびょうきになる
作・絵 ジャック・ディケノワ 訳 おおさわあきら
おばけ4人組のシリーズ。 最近調子が悪いアンリがとうとう手術を受けることになってしまいますが、その原因は意外なもので…。
病気がだんだん悪くなるねとか、原因はなんだろう?とか、話す機会の少ない病気になるってどういうこと?という話をするキッカケになりました。
手術のシーンがテンポよく展開されて、子どもに初めて手術の説明をしましたが、怖い雰囲気を感じさせずに話ができました。
- アンリは次から次へと病気になったり、けがをする。
- ブツブツができる→黄色くなる→木から落ちてけが→枝が落ちてけが→木からまた落ちてけが
- 夜の遠足でアンリの様子がおかしい
- アンリが眠って起きなくなってしまう(おばけが夜に寝るのは変)
- ボボ先生が手術することになる
- ボボ先生はすぐ原因を探り当てる
- 原因はおなかの時計の故障だった
- ボボ先生はすぐ修理し手術を終える
- アンリのおなかのベルが鳴り、アンリは目覚めた
「だめだよ、アンリ。おばけが よるに ねるなんて!」
引用:おばけびょうきになる
「へんだぞ。ちっとも おきないや!」
アンリがだんだんと調子が悪くなっていく原因が時計というのは、時間に支配されている現代人を表しているのかな?それとも体内時計をおろそかにしてはいけないという暗示かな?と大人にとっては深読みしたくなる設定です。
子どもには病院の手術が面白いようで、何度も読んでいました。
いたずらハーブ えほんのなかにおっこちる
作・絵 ローレン・チャイルド 訳 なかがわちひろ
絵本が好きなハーブ少年が、気がついたら絵本の中に入っちゃった!
そこに出てくる登場人物たちはいろいろ困っていて、その原因はハーブらしい。
みんなに責められ逃げるハーブは、どうやって絵本の外にでるのか?
- ハーブは絵本をいつでもどこでも読むので、紙面が痛んでしまっている
- ともだちのエジーが泊まった夜、ハーブは絵本の中に落っこちた
- 金色の巻き毛ちゃんが大騒ぎでまくし立てる(イギリス民話/ロシア民話「3びきのくま」)
- ハーブは有名な絵本の主人公を横目に森の奥へ逃げる
- ハーブは大きなお城の中へ
- 王様とヒゲを落書きされたお妃様に王様の椅子とチャーミング王子を切り取ったことを怒られる(「シンデレラ」)
- ハーブは紙面が逆さまになった部屋でシンデレラの継母に責められる
- ハーブはシンデレラに謝り、妖精に諭され、本から出られるようにお願いする
- ハーブが文字の上に登るとどんどん崩れ、本の外へ出られた
- エジーと一緒に寝ないで絵本の修復をするが、金色の巻き毛ちゃんには仕返しにイタズラをした
そのとき でんわが なりました。
引用:いたずらハーブ えほんのなかにおっこちる
ハーブが はりつけた でんわです。
おとぎばなしの せかいに でんわをはりつけたら おもしろいだろうとおもったのですが、(略)
有名な絵本が下敷きになっているので、先にその本を読んでおいた方がより楽しめるかもしれません。
登場人物の意外な姿がユーモラスで、もともとの本ではほんのちょっとの端役にも、人生や感情があるという発見も面白い設定です。
まとめ
どちらの絵本も、大人が考える常識の上をいく設定が面白く、一緒に読んでいても楽しめる絵本でした。
大人は当たり前のことを反対側から見ることの重要性に気づかされ、子供は純粋な感性がビシビシと刺激されて楽しめるでしょう。
ディケノワ氏はフランス人、チャイルド氏はイギリス人で、受賞歴もある絵本作家です。
こういうヒネリの効いた絵本をヨーロッパに住む子どもたちは日常的に読んで感受性を育てていると思うと、世界が広がって面白いですね。
このような海外の刺激的な絵本を、これからも子どもにどんどん読ませて、多様性を感じてほしいと思いました。
「絵本ナビ」なら絵本の試し読みができます
うちでは、子どもが1歳くらいから絵本の読み聞かせを始めました。寝つきが悪かったのを解決しようと調べてたら「夜のルーティーンを決めるといいよ」とあって、絵本の読み聞かせるといいと書いてあったから始めたんです。
それで、絵本を買ったり図書館で借りたりして、5年経った今もほぼ毎日読み聞かせをしています。
そのおかげか、文字を読むのも書くのも、親がほとんど教えてなくても興味を持ちました。習得も早かったような気がします。
私自身、絵本を読むことでさまざまな気づきがあり、楽しんでいます。
絵本のテーマって自分が思っていた以上広く、可愛らしい内容だけでないのが面白いんです。絵本の主人公は仲間はずれにされたり、けっこうひどいことになったり、悪い子だったりもするんです。
さらに「ただ良い子になろう」とかじゃない結論が用意されている絵本もあります。
そういう絵本を読んで、子どもと「なんでだろうね」「あなたならどうする?」とか話したり、「あの絵本の子と同じだね」と生活の中でも話題にします。
こういう話題ってうまく説明できないことも多いので、すごく参考になります。
そんなわけで我が家では絵本を買う機会も多いので「絵本ナビ」で試し読みができるのはありがたい!
さらに「絵本ナビ」にはグッズもいろいろあって、好きなキャラクターのものがあると、子どもが喜びます。
0歳から大人向けまで種類が豊富な絵本ナビを、あなたものぞいてみてはいかがでしょうか。