関東育ちの私が衝撃を受けた岐阜の鰻と麺類のつゆの味。
日常の食生活で感じる味の違いをご紹介します。
郷土料理のお店ではなく、
何気なく入った近所のお店で実感した食文化。
これが地方移住の醍醐味ですね
鰻の焼き方の境界は静岡にあるらしい
関東育ちの私にとって、鰻は「蒸す」もの。
そして注文から30分以上待って出されるものです。
関西圏が「焼き」とは知っていましたが、岐阜は東側だし…と思っていたら「焼き」でした。
久しぶりに鰻を食べたいと思って行った近所の鰻専門店で、食べた最初の印象は、誤解を恐れずに言うと「かたくて、焦げてる」。
ひつまぶしも食べましたが、鰻を食べている感覚はなく、別の美味しい料理として味わいました。
浜松出身の同僚から、浜松は「蒸し」が主流という話を聞いて初めて境界は静岡と愛知あたりと知りました。
同僚の主観で言うと、浜松は「蒸し」でも、関東に比べて少し「焼き」が強いそうです。
現在は、「焼き」の鰻に慣れ、外側は香ばしくて中はフワフワの食感が好きですし、よく食べてます。
「蒸す」には無い歯ごたえと香りを楽しむようになりました。
関西圏の「焼き」鰻は食べた事がないので、同じタイプでも比べてみたいです。
麺類のつゆの境界は岐阜県にあった
ざるそばを食べた時の第一印象は「つゆ、甘い!」でした。
でもつゆの色は薄くないし、関西風とも違う…。
なぜ甘さを感じるのでしょうか?
よく醤油で「東日本の濃口、西日本の薄口」と言われます。
出汁も関東はカツオベース、関西は昆布ベース。
蕎麦・うどんのつゆの東西の境界は、南は三重から愛知を北上し、東海道本線の関ヶ原を通り、富山県と新潟県の境目周辺と言われています。
どん兵衛も赤いきつねも関ヶ原で、東西で商品のつゆを変えているそうです。
さらに気になるのは、たまり醤油という存在。
愛知県、三重県、岐阜県の特産で、原料は大豆がほぼ100%、仕込み水の量は「濃口」の50%~80%位と少なく、1年以上熟成・発酵させて製造されます。
まろやかでコクのあるおいしさが魅力で、色は濃いですが、濃口醤油と塩分量は同程度です。
伊勢うどんのつゆはたまり醤油が使われています。
岐阜市は多くの境界である関ヶ原からは東側ですが、昆布出汁や醤油(たまり醤油を使っている可能性有)の組み合わせが相互作用して、甘いつゆとなったのかなと推測します。
他にも薬味のネギも、白ネギと青ネギの境界は関ヶ原あたりらしいです。
外食のお味噌汁は赤味噌一択
岐阜県は中京エリア特有の、赤味噌文化です。
もちろんスーパーでは信州味噌や白味噌も売っていますが、外食店で出されるお味噌汁は赤味噌のみです。
味噌カツや味噌煮込みうどんは赤味噌ベースのしっかりとした味付けで、食べ応えがあります。
スーパーなどでも味噌商品が豊富で、味付けにすぐ使えるチューブタイプや特定の料理で使うタイプの商品などが多数陳列されていて、メーカーによる味の違いを探索できて楽しいです。
まとめ
地図を見れば一目瞭然ですが、岐阜県の西隣は滋賀県、その向こうは京都。
我が家(岐阜市)から京都中心部まで、車だと途中休憩入れても3時間弱。
新幹線を使うと2時間。ローカル線でも2時間半。
関西圏はすぐそこだったのです。
食だけでなく、名古屋からのルートと関西圏からのルートという文化の交差点に岐阜はあります。
しかし、岐阜はめちゃくちゃ広い!
長野側の東濃エリア、北の飛騨地方はまた違う文化があるそうなので、まだまだ探訪は続きます。
知らない事がまだまだたくさん!
岐阜の魅力を掘り起こしていきたいです